『タゴール　自然と叡智の学校』について…

かつて日本には四季の色がありました。自然の香りがありました。私たちは大自然の中で地球や日本の響きを聴きながら、自然との繋がり、心の安らぎを覚え、喜びに満ち溢れていました。自然と共生し、自然の素晴らしさを五感で味わいながら、自然の一部として“心”が育まれていたからでしょう。

現在、地球環境はもちろんのこと、日本の社会環境においても、大変心痛む信じられない事件が起きています。特に子供たちの「心」環境調査によると、“居場所”がない“生きる目的がない”ということに原因があることがわかってきました。この混沌とした毎日の中で、大人も子供も生きる歓びや創造することの楽しみを忘れてしまった様です。

『タゴール　自然と叡智の学校』は、タゴールの自然観・宇宙観を基本理念に置き、一人ひとりの生命の輝きを目指してここに誕生しました。タゴールは、自然の叡智の気づきにより、生涯に渡り、人間の持つ無限の可能性を開くために活動した芸術家であり教育者でもあります。タゴールは、自然の叡智を普及させるためにシャンティニケタンの地に、自然を学ぶ学校（現 タゴール 国際大学）を設立し、芸術、音楽、戯曲、絵画、舞踊、語学、自然哲学など、人間の真実の生き方を伝えてきました。また、東西の文化の融合や世界の平和を祈りながら、世界各国を歴訪し、世界の国を創るリーダーたちにも大きな影響を与えています。タゴールの唱える自然の叡智とは、「人生はアーナンダ・・・自然の一部として繋がり［歓喜・よろこび］に生きるものである」というウパニシャッド哲学に基づいています。

『タゴール　自然と叡智の学校』は、現代の頭だけであれこれ考える世界から、自然を通して、また五感を通して、心と身体全体で感じ体験する＜自然環境教育＞を柱としています。この現代に忘れてしまった大切なものを、一人でも多くの人に再認識して頂くために、“自然との繋がり”や“いにしえの叡智”を、少しでもわかりやすく、そして人生に役立つ智恵として学ぶことのできる、オリジナルなカリキュラムで構成されています。

自然との繋がりの中で、尊い生命の素晴らしさを皆と共有しながら、個々の創造性や芸術性を高め、自分らしさの気づきとともに、一人ひとりが喜びに満ち溢れた人生を築いていく場として活かして頂ければ幸いです。